更新日:2026年06月04日

この記事の監修
聖マリアンナ医科大学 卒業。 卒業後は、茅ヶ崎徳洲会病院、大村病院で内科医療に従事後、 いがらしクリニックを開業。 クリニック閉業後、医療法人理事長/院長を経て、 リフィルクリニック院長に就任。
風邪で身体が痛むとき、「なぜ身体が痛いの?」「何か別の病気かも」と不安になることは珍しくありません。関節や筋肉などが激しく痛むと、このまま自宅で様子を見ていて大丈夫なのか、すぐに受診すべきなのか迷ってしまうものです。
こうした痛みが起こるのは、身体がウイルスと戦っているサインといえます。痛みの原因や部位ごとの特徴を知り、自身の状態に合わせたケアの選択や受診を判断する基準を確認していきましょう。
風邪を引くと、発熱やくしゃみ、鼻水、咳など、多岐にわたる症状が現れます。発熱と同時に生じる関節痛などの身体の痛みは、インフルエンザ特有の症状と捉えられがちですが、一般的な風邪であっても身体に痛みを感じる場合は少なくありません。
「ただの風邪なのに、なぜ身体が痛むのか」と不安な気持ちになるものの、この痛みは体内で生じている正常な反応が関係しています。自身の身体の中で何が起きているのかを知ることで、痛みへの不安を和らげ、適切なケアへとつなげることが可能です。まずは、身体が痛みを発信しているメカニズムについて確認していきましょう。
ウイルスをはじめとする異物が体内に入ると、異物を排除するために免疫系の細胞が「サイトカイン」と呼ばれる物質を分泌します。サイトカインが分泌されると、身体は各臓器の機能を維持しようと試みます。その過程において、脳内の血管で生産されるのが「プロスタグランジン」です。
プロスタグランジンには体温を引き上げる役割があり、熱を出すことでウイルスなどの異物と戦う環境を整えます。したがって、体温の上昇は身体を守るための大切な防御反応といえるでしょう。
同時に、プロスタグランジンの働きによって、関節痛をはじめとする痛みが全身に引き起こされます。これは、プロスタグランジンが「ブラジキニン」と呼ばれる痛みを引き起こす物質を強める働きを持つためです。
風邪を引いた際に感じる身体の痛みは、全身に同じように現れるわけではありません。関節に鋭い違和感を覚える場合もあれば、筋肉全体が重だるく感じる場合など、痛みの現れ方は人それぞれです。痛む場所が異なる背景には、免疫機能の働きに加え、ウイルスによる影響が関係していると考えられます。
自身の痛みがどの部位に強く出ているのかを把握することは、適切なケアの選択や医療機関の受診を判断する基準となります。各部位における痛みの現れ方や、その特徴について具体的に確認していきましょう。
風邪の引きはじめや発熱時に、関節に痛みが生じることは珍しくありません。関節の痛みは、体内のウイルスを退治しようと免疫が活発に動いているサインとして現れます。多くの場合、熱が出たタイミングやその直後に痛み出しますが、熱が下がるにつれて数日ほどで落ち着く傾向にあります。
ただし、特定の関節が赤く腫れたり、触れると熱を持っていたりする場合は注意が必要です。これらは風邪による一時的な反応ではなく、関節の中で細菌が広がる「感染性関節炎」といった、別の病気が隠れている可能性があります。関節を動かせないほど痛むときや、見た目に明らかな変化がある際は、自身の判断で放置せず、速やかに医療機関を受診しましょう。
風邪を引いた際に、全身の倦怠感とともに筋肉が痛むのは一般的な症状といえます。身体を動かしたときに節々が痛んだり、全体的に重い、だるい感覚を覚えたりする場合、その多くは免疫反応による影響です。休息を十分に取り栄養を補給することで、風邪の回復に合わせて次第に痛みは和らいでいきます。
ただし、身体の不調を判断するうえで、症状の現れ方を確認しておくことは大切です。急に38度以上の高熱が出て、動くのがつらいと感じるほど筋肉痛を伴う際は、通常の風邪ではなくインフルエンザに感染している可能性があります。
このように、熱の高さと痛みの程度が受診を考える一つの目安となります。自身の体調を慎重に見極め、必要に応じて医療機関での検査を検討しましょう。
風邪のウイルスが喉に付着すると、防御反応として首にあるリンパ節が腫れて痛むことがあります。首の付け根あたりを押した際に痛みを感じたり、首を左右に動かしたときに違和感を覚えたりするのは、免疫が正常に機能している過程でよくみられる現象です。喉の痛みとともに、こうした首まわりの重苦しさを伴うケースは少なくありません。
ただし、首の腫れ方が左右で明らかに異なり片側だけが激しく痛むときには、状況を慎重に見極める必要があります。加えて、高熱が数日間続くといった変化がある際は、通常の風邪ではなく、細菌感染による「扁桃周囲膿瘍」などが隠れている可能性も考えられます。
首の腫れに加えて、唾を飲み込むのが困難なほどの痛みがある場合は、速やかに耳鼻咽喉科を受診しましょう。
風邪で激しい咳が続くと、肋骨まわりの筋肉に負担がかかり、背中や脇腹に筋肉痛のような痛みが出ることがあります。咳をするたびに背中が響くような感覚を覚えるのは、風邪の症状に伴う筋肉の疲労が主な要因です。
一方で、安静にしているときでも背中や胸の奥に痛みを感じる場合は、慎重な判断が求められます。特に、呼吸に合わせて胸が痛む、息苦しさや胸苦しさを伴うといった変化には注意を払わなければなりません。これらの症状がみられるときは、風邪から肺炎へ進行しているケースや心疾患など、別の病気が隠れている可能性があるためです。
呼吸に関連した痛みや胸の圧迫感がある際は、速やかに医療機関を受診しましょう。自身の状態を正確に伝え、医師の診察を受けることが早期回復への近道となります。
風邪を引いたときの身体の痛みは、発熱と同時に現れることが多いものです。しかし、熱がないにもかかわらず節々が痛むと、何が原因なのか不安に思うかもしれません。
熱はないものの身体だけが痛む背景には、主に以下の2つの理由が考えられます。
リフィルクリニックの特徴
24時間予約可能
完全予約制で最短待ち時間無し
全国どこからでもオンライン受診OK
対面診療も可能な保険診療で安心
初診からオンライン診療OK(※1,2)
お薬は自宅や薬局で受け取り可能(※3,4)
身体の痛みが起こる仕組みや、風邪以外の可能性について知ることは、適切な対処法を見極めるための助けとなります。それぞれのケースについて、自身の状況と照らし合わせながら確認していきましょう。
風邪で身体が痛むのは、ウイルスを追い出すために体内から痛みの物質が分泌され、神経を刺激するためです。痛みの物質は脳に体温を上げるよう指令を出す役割も持っていますが、身体が痛みを感じ始めてから体温が上昇して熱が出るまでには、時間差が生じる場合があります。
そのため、今は熱がないにもかかわらず身体だけが痛むという状況は、これから発熱する前兆の可能性があります。身体の痛みを感じた後に遅れて熱が出るケースも少なくないため、無理をせず慎重に様子を見ることが大切です。身体からのサインを見逃さないよう、体温の変化をこまめに確認しながら安静に過ごしましょう。
身体が痛くなる原因は、風邪だけとは限りません。以下のような風邪以外の病気が隠れている場合もあるため、痛みの出方やほかの症状に注意を払うことが重要です。
部位や痛みの種類によっては、専門的な治療を必要とする疾患の可能性も否定できません。風邪だと思い込んで放置せず、違和感がある際は早めに医療機関を受診して、適切な診断を受けるようにしましょう。
風邪の影響で身体が痛むときは、日常生活への影響を考慮して少しでも早く回復させたいものです。自己判断で間違ったケアを行うと、かえって症状が長引いたり、悪化したりする場合があるため注意しましょう。
身体の痛みを和らげ、回復を促すための具体的な方法には、以下の4つが挙げられます。
対処法のポイントを押さえ、正しく実践することは、つらい痛みを抑えることにつながります。対処法を試す際は、自身の体調に合わせて無理のない範囲で取り入れてみてください。
風邪で身体が痛いとき、早く治そうとして無理に運動をしたり、痛む部位をマッサージしたりすることは逆効果です。身体がウイルスと戦っている最中に患部へ刺激を与えると、炎症を強めてしまう恐れがあります。風邪を引いたときはできる限り動かず、安静にして過ごしましょう。体内のウイルスが減少すれば、自然に熱が下がり、身体の痛みも和らいでいきます。
ただし、高熱や身体の痛みが何日も続く場合は、風邪以外の原因を考えなければなりません。特に子どもや高齢者は体力を消耗しやすく、重症化のリスクも無視できないためです。自身の判断で様子を見続けず、早めに医療機関を受診して医師の診断を受けるようにしましょう。
風邪で発熱しているときは、汗をかくことで体内の水分が失われやすくなります。水分が不足すると血液の流れが滞り、痛みのもととなる物質が体内に留まってしまう原因にもなり得ます。喉の乾きを感じる前に、一口ずつでも良いのでこまめに水分を摂ることが大切です。
飲み物を選ぶ際は、身体を冷やさないよう常温の水や白湯、温かいお茶などを選びましょう。また、効率よく水分や塩分を吸収するためには、経口補水液やスポーツドリンクを活用するのも一つの方法です。
しっかり水分を補うことは、代謝を促して体内のウイルスを排除しやすくする助けとなります。身体の痛みがつらいときこそ、意識的に水分を摂るようにしましょう。
身体の痛みがつらいときは、ぬるめのお湯に浸かって血の巡りを良くすると、こわばった筋肉がほぐれて痛みが和らぐ場合があります。お湯の温度は38~40度程度に設定し、身体を優しく温めるのがおすすめです。ただし、長時間の入浴や42度を超えるような熱いお湯は、かえって体力を奪い身体の負担となるため控えましょう。
また、入浴によって汗をかいた分、水分を補うことも大切です。お風呂から上がった後は、常温の水や温かい飲み物を飲み、脱水を防ぎながら身体の温もりを保ちましょう。湯冷めをしないよう暖かい服を着て、早めに髪を乾かしたあとは、ゆっくり休むことが回復を早める助けとなります。
身体が痛むとき、できるだけ早くつらさを和らげたい場合は、市販薬を活用するのも一つの方法です。総合風邪薬は、身体の痛みだけでなく咳や鼻水、喉の腫れなど、複数の症状を同時に抑える効果も期待できます。自身の今の状態に合う成分が含まれているかどうか、購入する際に薬剤師や登録販売者へ相談しましょう。
ただし、市販薬は出ている症状を一時的に抑えるためのもので、風邪そのものを治すわけではありません。風邪の症状が1週間以上続いたり、症状が重くなったりする場合には医療機関を受診し、医師の指示を仰ぎましょう。
ドラッグストアには数多くの風邪薬が並んでおり、どれが自身の症状に適しているのか迷うことも少なくありません。配合されている成分によって、期待できる効果だけでなく、眠気などの副作用や飲み合わせも異なります。
風邪で身体の痛みがつらいときに、自身に合った薬を選ぶためのポイントは主に以下の2つです。
それぞれの特徴の把握は、身体の負担を抑えながらつらい症状を和らげることにつながります。自身の体調や希望するケアの形に合わせて、最適な選択肢を確認していきましょう。
身体の痛みを抑えたい場合は、アセトアミノフェンやロキソプロフェンといった解熱鎮痛成分を含む薬が選択肢となります。ただし、複数の薬を服用する際は、同じ成分の重複に注意が必要です。たとえば、総合風邪薬と痛み止めを併用すると成分が重なり、過剰摂取になる恐れがあります。
また、薬の種類によっては眠気を引き起こす成分が含まれているため、運転や仕事の予定に合わせて選ぶことも大切です。さらにロキソプロフェンなどは胃の負担になる場合があるため、胃腸が弱い方や既往症のある方は慎重に判断しなければなりません。
特に子どもや妊婦の方、持病がある方、ほかの薬を服用している場合は自己判断を避けるべきといえます。自身に合う薬を安全に選ぶために、市販薬を購入するときは薬剤師や登録販売者に相談しましょう。
風邪による身体の痛みを和らげるために、漢方薬を試してみるのも一つの方法です。漢方薬は天然の生薬を組み合わせて作られており、その人の体質や今の症状に合うものを選ぶことで、身体が本来持つ回復力をサポートしてくれます。西洋薬とはアプローチが異なるため、自身の今の状態に「合うかどうか」を大切にする考え方が特徴といえるでしょう。
たとえば、風邪の引きはじめでゾクゾクと寒気がするときには、葛根湯(かっこんとう)や麻黄湯(まおうとう)が適している人もいます。ただし、漢方薬は症状のタイプによって選ぶべき種類が細かく分かれるため、自己判断で選ぶよりも専門家に確認するのが安心です。医師や薬剤師、登録販売者に今の状況を伝え、自身に合うものを提案してもらうようにしましょう。
風邪で身体が痛むときは、移動や外出自体が大きな負担となるため、オンライン診療の活用が便利です。自宅にいながら医師の診察を受けられるので、身体の痛みを我慢して無理に外へ出る必要がありません。
対面での受診は、予約をしていても院内での待ち時間が長くなるケースも少なくないでしょう。オンライン診療であれば、診察までの待ち時間を短縮できるだけでなく、仕事や家事などで通院の時間がなかなか取れない方でも隙間時間を活用して受診できます。
処方された薬は自宅に配送されるので、薬局へ行く手間も省けます。風邪で身体がつらいときこそ、移動や待ち時間による負担を抑えられるオンライン診療を検討してみてください。
風邪を引くと、身体に痛みを感じることがあります。痛いと感じるのは、ウイルスや細菌から身体を守る防御反応によるものです。関節や筋肉、首・喉まわりなど、痛みの現れ方は人によって異なります。
身体に痛みがある際の対処法には、「安静に過ごす」「こまめな水分補給」「ぬるめのお湯に浸かる」「市販薬の服用」があります。ただし、痛みが長期間続くときや風邪の症状が悪化している場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
風邪を引いて身体の痛みがつらいときは、オンライン診療サービスを活用する方法があります。通院の手間がなく、自宅などから医師の診察を受けられるので、風邪で受診したいときの選択肢の一つとしておすすめです。
スマートフォンやPCを使って、自宅や外出先など全国どこからでも、かかりつけ医による診察を受けることができます。 医師により処方が行われた場合には、お薬のご自宅への配送や、薬局での当日受け取りが可能です。
通院の手間や待ち時間を減らし、プライバシーを守りながら、安心して医師へ相談できます。