更新日:2026年06月12日

この記事の監修
聖マリアンナ医科大学 卒業。 卒業後は、茅ヶ崎徳洲会病院、大村病院で内科医療に従事後、 いがらしクリニックを開業。 クリニック閉業後、医療法人理事長/院長を経て、 リフィルクリニック院長に就任。
風邪で鼻水が止まらないのは、体内に侵入したウイルスなどの異物を排出しようとする防御反応に加え、炎症によって鼻粘膜の分泌が増えるためです。風邪は多くの場合数日で症状のピークを迎え、その後は徐々に鼻水も落ち着いていきます。
鼻水が止まらないだけでなく、顔面痛や片側だけに症状が現れるときは風邪以外の可能性が考えられます。状態に合わせたセルフケアや市販薬の選び方、受診の目安を確認して不快な症状を和らげましょう。
風邪を引いて鼻水が止まらないのは、ウイルスや細菌から体を守るための仕組みが関係しています。鼻腔内にウイルスや細菌が侵入すると、体はその異物を体外へ排出しようと試みます。この際に分泌されるのが鼻水です。
鼻の粘膜にある腺から液体を出すことで、異物を洗い流す仕組みが働きます。鼻水には粘液と線毛運動によってウイルスや細菌を捕捉し、体外へ排出する役割があるため、異物を出し切るまで分泌は継続します。
不快な症状ではあるものの、体が健康な状態に戻ろうとする段階の一つと捉えることが大切です。
風邪で鼻水が止まらない状況は、ウイルスを排出するための防御反応が活発に働いている状態を指します。侵入した異物を外に排出するために、炎症反応や自律神経の働きにより粘膜の分泌が促進されます。この反応は体がウイルスや細菌との戦いを有利に進めるための働きであり、回復に必要な過程です。
一般的に、風邪による鼻水は発症から数日でピークを迎える傾向があります。最初はサラサラとした状態から始まり、次第に粘り気が増すなど状態が変化するのが特徴です。その後、体内の異物が減少するにつれて鼻水の分泌量も徐々に落ち着きをみせます。
このように、時間の経過とともに症状が軽快していくのが風邪の典型的なパターンです。風邪で鼻水が止まらないのは体内の異物を排出している期間だと認識し、回復に向けて安静を心掛けましょう。
鼻水が止まらない状況が長引く場合や特定の症状を伴う際は、風邪ではないほかの原因を考慮する必要があります。鼻水の色や性状、付随する不調に注目すると、現在の状態を判断する目安となります。
特に以下の特徴に当てはまるときは、風邪以外の可能性があるでしょう。
風邪であれば通常は7~10日程度で改善へと向かいます。しかし、風邪の諸症状ではみられない特徴的な症状が続くときは、原因に合わせた適切な処置が求められます。
風邪で鼻水が止まらないとき、色や粘り気の変化は体内の状況を知る手がかりとなります。鼻水は時間の経過や原因によって性質を変えるため、現在の状態を観察することが大切です。
たとえば、風邪の引き始めは鼻水が水のように無色透明ですが、経過とともに色が濃くなり粘り気のあるものへと変化していきます。鼻水がサラサラとした状態から粘り気のある状態になるのは、炎症に伴う白血球(特に好中球)や細胞成分、タンパク質が増えるためです。
一方で、最初から特定の性質が続く場合は、風邪以外の要因が隠れている可能性が考えられます。
| 鼻水の状態 | ほかにみられる症状 | 考えられる原因 |
|---|---|---|
| 透明でサラサラとしている | くしゃみや喉の違和感、目のかゆみ | 風邪の初期症状やアレルギー性鼻炎 |
| 黄~緑色で粘り気がある | 顔面痛や鼻づまり、歯の違和感、後鼻漏 | 副鼻腔炎 |
| 血が混じる | 鼻の痛みや鼻粘膜の乾燥 | 粘膜のダメージや腫瘍などの疾患(片側のみ続く場合) |
粘り気の少ないサラサラした鼻水が止まらない場合は、風邪の引き始めであるケースが目立ちます。鼻風邪の特徴の一つで、喉の痛みや発熱、頭痛といった全身症状を伴うのが見分け方のコツです。数日経つと鼻水に粘り気が出てくる点も、風邪特有の変化といえます。
一方で、アレルギー性鼻炎でも同様にサラサラとした鼻水が出ます。こちらは花粉やハウスダストなどが原因で起こり、目のかゆみや連続するくしゃみ、鼻のムズムズを伴うのが一般的です。風邪のような発熱は基本的にみられず、原因物質に接している間は症状が長く継続します。
なお、急激な気温差によって自律神経が乱れ、鼻水が出る寒暖差アレルギーという状態もあります。まずは鼻水以外の症状があるか、特定の場所や季節で症状が出やすいかを確認しましょう。
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鼻水の色が黄~緑色でドロっとした粘り気がある場合、風邪の可能性もありますが、副鼻腔炎の可能性も考えられます。副鼻腔炎は鼻の周辺にある空洞の副鼻腔に炎症が起き、分泌物(膿を含むこともある)が溜まっている状態です。風邪のウイルスによるダメージが長引くと、細菌感染を併発して発症するケースがあります。
副鼻腔炎では、鼻づまりのほかに特有の不快感が現れるのが特徴です。鼻水が喉に流れる後鼻漏が生じるほか、顔面の痛みや頭痛、歯に違和感を覚えることもあります。このような症状は、副鼻腔内の炎症が強まることで引き起こされます。
風邪の回復期でも鼻水の色が濃くなりますが、顔の痛みや強い鼻づまりが続く場合は注意が必要です。副鼻腔炎は慢性化すると治りにくくなるため、症状がみられるときは耳鼻咽喉科を受診して適切な処置を受けましょう。
鼻水に血が混じっている場合、鼻の粘膜への刺激や乾燥が考えられます。風邪で鼻水が止まらないからといって、鼻を強くかみ過ぎたり頻繁にかんだりすると粘膜が傷つきます。空気が乾燥している場合も粘膜が弱くなりやすいため、少量の血が混じるケースは珍しくありません。
ただし、症状の現れ方によっては、鼻副鼻腔腫瘍などの疾患が隠れている可能性を考慮する必要があります。特に、片側だけから血の混じった鼻水が続く場合は注意が必要です。片側固定の鼻づまりや顔面痛、歯の痛みなどが現れるときも受診のサインと捉えましょう。
一時的な粘膜の傷であれば、刺激を避けることで出血も落ち着いていきます。しかし、特定の側だけ症状が悪化する場合や出血が数週間にわたって繰り返されるときは、早めに耳鼻咽喉科に相談しましょう。
鼻水が止まらないときは正しいかみ方を実践し、自宅で取り組めるセルフケアを取り入れましょう。身の回りの環境を整えたり、体の扱い方を工夫したりすることで鼻水が止まらない不快感を和らげることが可能です。
鼻水は無理に止めようとするのではなく、スムーズな排出を助けつつ粘膜への刺激を抑えるのが重要となります。鼻腔内を潤して排出を促す方法や睡眠時の姿勢を整えるなど、対処法ごとのポイントを押さえ、自身の状況に合わせて取り入れやすいものから実践しましょう。
鼻をかむ際は片方ずつ行います。反対側の鼻を指でしっかりと押さえ、空気の逃げ道を作ってから鼻水をかみましょう。両方の鼻を同時にかむと鼻腔内に強い圧力がかかり、ウイルスや細菌を含んだ鼻水が耳の方へ送り込まれる恐れがあります。中耳炎の原因となるケースもあるため、注意が必要です。
また、鼻水は勢いよく一気にかむのではなく、口から息を吸ってゆっくりと少しずつ出すようにしましょう。力任せに強くかみ過ぎると、耳に痛みが生じたり鼻の粘膜が傷ついて鼻血が出たりする可能性があります。
一度にすべてを出し切ろうとせず、やさしい力加減で数回に分けてかむのが体への負担を抑えるコツです。炎症を起こしている鼻の粘膜をいたわりながら丁寧にケアしましょう。
鼻水の症状を和らげるには、鼻腔内の潤いを保つのが効果的です。空気が乾燥していると鼻の粘膜が刺激を受けやすいため、室内では加湿器などを活用して40~60%の湿度を維持しましょう。外出時はマスクを着用すると、呼吸によって鼻の内部に適度な潤いを与えられます。
また、物理的に鼻を温める方法も不快感の軽減に役立ちます。お風呂に浸かって湯気を吸い込むと、血行が促進されるとともに鼻の通りがスムーズになるでしょう。
手軽にできる対策として、蒸しタオルを鼻にあてて温める方法もおすすめです。温かい蒸気が粘膜を潤し、固まった鼻水の排出を助ける働きがあります。乾燥した空気に注意しながら、生活環境や習慣に保湿の工夫を取り入れましょう。
夜間に後鼻漏が生じると、喉の違和感や咳き込みによって睡眠が妨げられます。横になった際に症状が強まる場合は、頭を少し高くして寝ましょう。枕の下にバスタオルやクッションを敷き、上体をゆるやかに持ち上げると鼻水が喉へ落ち込むのを抑えられます。
平らな状態で寝ると鼻の奥に鼻水が溜まりやすいため、角度をつけることでスムーズな呼吸を助ける仕組みです。また、横向きで寝る姿勢も鼻の通りを確保しやすくする手段となります。どちらか一方の鼻がつまっているときは、つまっている側を上にして寝ると不快感が軽減されるでしょう。
寝室の乾燥も鼻水の分泌を促す要因となるため、就寝中も加湿を意識することが大切です。姿勢の工夫と室内の調整を組み合わせ、体が休める環境を整えましょう。
小さな子どもや自力で鼻をかむのが難しい方のケアには、鼻水吸引器が役立ちます。鼻水の排出が不十分な状態が続くと、感染が広がり中耳炎や副鼻腔炎のリスクが高まることがあります。吸引器を活用して鼻水を物理的に取り除けば鼻の通りがスムーズになり、呼吸の負担を軽減できるでしょう。
家庭用の吸引器には、手動の口吸いタイプや一定の圧力で吸い出す電動タイプが存在します。使用時は数回に分け、短時間で少しずつ吸い出すのが粘膜を傷つけないコツです。特にお風呂上がりは分泌物が柔らかくなっているため、効率よく排出を促せます。
また、耳鼻咽喉科でも鼻水を吸引してもらえます。症状がつらいときは、耳鼻咽喉科で鼻水を吸引してもらう方法も検討しましょう。
鼻水が止まらない場合、市販薬を活用するのも一つの手段です。自身の症状が鼻水だけなのか、熱や喉の痛みを伴うのかによって選ぶべき種類が変わります。症状に合わない薬を選んでしまうと期待した働きが得られないだけでなく、不要な成分まで摂取する恐れがあるので注意しましょう。
なお、市販薬はあくまで一時的に症状を抑えるためのものです。薬の種類によっては眠気などの副作用が現れるケースもあるため、薬剤師や登録販売者に相談しながら自身に合ったものを選びましょう。
透明でサラサラとした鼻水が止まらない、くしゃみを伴うといった症状には、一般的に抗ヒスタミン成分が含まれる薬が選択肢となります。抗ヒスタミン薬とは、体内でアレルギー反応などを引き起こすヒスタミンという物質の働きを抑えるものです。
市販されている製品には、眠気が出にくいタイプや持続時間が異なるものなど複数の種類があります。自身のライフスタイルや体質に合うものを選ぶために、購入時は薬剤師や登録販売者に相談しましょう。また、持病がある場合やほかの薬を服用している際は、併用の可否を確認するのも大切です。
ただし、市販薬を数日間服用しても鼻水が止まらないときや症状が悪化する場合は無理をせず、医療機関を受診しましょう。医師の診断を受けることで、症状の根本的な原因に合わせた適切な処置を受けられます。
鼻水が止まらない状況に加え、鼻づまりが深刻な場合は点鼻薬の使用が選択肢に挙がります。市販の点鼻薬には、血管を収縮させて一時的に粘膜の腫れを抑える成分が含まれているものがあります。即効性が期待できるため、鼻がつまって眠れないときや鼻の症状で仕事に集中できない際のサポートとして役立つでしょう。
ただし、点鼻薬は使用回数や期間を守ることが重要です。頻繁に使い過ぎると、かえって粘膜の腫れがひどくなる薬剤性鼻炎を引き起こす恐れがあります。製品に記載された用法・用量を確認し、長期にわたる連続使用は控えることが重要です。
セルフケアや市販薬で鼻づまりが改善しないときは、副鼻腔炎などの疾患が隠れているケースもあるので早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。
鼻水が止まらないだけでなく、発熱や喉の痛みといった全身症状がある場合は総合感冒薬の活用が検討されます。総合感冒薬には解熱鎮痛成分や去痰成分など、複数の症状に働きかける成分がバランスよく配合されています。
使用する際に理解しておきたいのが、あくまで対症療法である点です。総合感冒薬は風邪のウイルスそのものを退治するわけではなく、つらい症状を一時的に和らげて体が回復するのを助ける役割を果たします。そのため、薬を飲んでいる間も栄養を摂り、安静に過ごすのが回復への近道となります。
市販薬を数日使用しても発熱が続いたり、喉の痛みが強くなったりする場合は医療機関を受診しましょう。風邪ではなくほかの感染症の可能性も否定できないため、自己判断で服用を続けるのは避けてください。
風邪で鼻水が止まらない場合、7~10日程度で症状は落ち着いて快方に向かうのが一般的です。しかし、症状や継続期間によっては受診が必要なケースもあります。
たとえば顔周りに独特の痛みが生じる、片側だけの症状が続くといった際は、副鼻腔炎など風邪以外の疾患が原因の可能性があります。放置することで慢性化したり、ほかの部位へ影響が広がったりする恐れがあるため、適切なタイミングで耳鼻咽喉科の受診を検討しましょう。
鼻水が黄緑色で粘り気が強いときは、副鼻腔に膿が溜まっている可能性があります。鼻水の不快感に留まらず、頬や目の周りに重い痛みを感じたり頭痛が続いたりする場合は注意しましょう。また、上の奥歯に浮くような違和感を覚えることも、副鼻腔の炎症が原因で起こる症状の一つです。
症状が1週間以上改善しない、悪化するといった場合は受診を検討すべき目安といえます。後鼻漏によって咳が止まらない場合も、耳鼻咽喉科への相談が推奨される状況です。
顔面の圧迫感や激しい頭痛を伴う際は、耳鼻咽喉科での処置が必要なサインと捉えましょう。放置すると慢性化して回復までに時間を要するため、不調が長期化する前に医師による適切な治療を受けることが大切です。
鼻水が止まらない状況において、特に注意すべきは左右差と期間です。通常の風邪であれば両側の鼻に症状が現れますが、片側だけ鼻水が続いたり片方の鼻づまりだけが解消されなかったりする場合は、鼻副鼻腔腫瘍などの疾患が隠れている恐れがあります。
受診の目安となる日数は数週間経過しても改善の兆しがみられない、もしくは症状が悪化の一途をたどるタイミングです。また、発熱が数日間続く場合や一度下がった熱が再び上昇する際も、細菌による二次感染の可能性を考慮しましょう。
特に片側だけ出血した鼻水が続く場合や顔面痛を伴うときは、早急な受診が必要です。不自然な症状や左右の偏りを感じたら、迷わず耳鼻咽喉科へ相談しましょう。
鼻水や鼻づまりに伴い、本来のにおいが感じにくくなる症状が現れたら早めの受診を検討しましょう。鼻の粘膜が強く腫れてにおいの分子が届かない、神経に影響が出ている可能性があります。鼻の症状が治まってもにおいだけが戻らない場合、放置すると回復が難しくなる恐れがあるため注意が必要です。
鼻水や鼻づまりが落ち着いてもにおいが戻らない、副鼻腔炎を繰り返すときは受診すべき目安といえます。「いつものことだから」「そのうち治るだろう」と自己判断せず、においの違和感や繰り返す不調がある際は耳鼻咽喉科を受診しましょう。適切な治療を早期に開始することが、嗅覚の回復や再発防止において重要となります。
風邪で鼻水が止まらない症状は、体が侵入したウイルスや細菌を追い出そうとする防御反応です。そのため、正しい鼻のかみ方や加湿といったセルフケアを実践し、安静に過ごして回復を待ちましょう。
症状が長引く場合や鼻づまり・顔面痛などがひどいときは、副鼻腔炎などの疾患を考慮して早めに耳鼻咽喉科を受診するのが大切です。
病院へ行きたいけれど仕事が忙しくて病院へ通う時間がとれない場合は、オンライン診療を活用する方法があります。スマートフォンなどを通じて自宅から医師の診察を受けられるため、二次感染リスクを抑えつつ適切なアドバイスや処方を受けられるのがメリットです。自身の症状やライフスタイルに合わせ、選択肢の一つとしてオンライン診療の利用も検討してみてください。
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