更新日:2026年06月12日

この記事の監修
聖マリアンナ医科大学 卒業。 卒業後は、茅ヶ崎徳洲会病院、大村病院で内科医療に従事後、 いがらしクリニックを開業。 クリニック閉業後、医療法人理事長/院長を経て、 リフィルクリニック院長に就任。
風邪で体がだるく、食欲がわかないときは「食べないと治りが遅くなるのでは」と不安になるものです。自炊する気力もわかず、何を選べば体に負担をかけずに栄養を補えるのか判断に迷うこともあるかもしれません。
風邪で食欲が落ちるのは、体がウイルス退治にエネルギーを集中させている自然な反応でもあります。まずは無理に食べようとせず、今の自分の「食べられる度合い」に合わせて栄養と水分を補給しましょう。
体調が悪化している最中は、自分の状態を客観的に判断することが難しくなる場合があります。まずは、自宅で様子を見ていて大丈夫な状態か、以下のポイントでチェックしてみてください。
風邪で食欲がないときに優先すべきは、食事ではなく水分補給です。人間は数日間食べなくてもすぐに命に関わることはありませんが、水分不足は回復を遅らせ、脱水症状などのリスクに直結します。
特に発熱時は、自覚がなくても大量の水分を失っているため、水分補給ができているか意識しましょう。起き上がるのがつらくても、手元にペットボトルを置いて、数分おきに数口ずつ口に含むだけで脱水の危険はぐっと下がります。
体調に違和感を感じても、大した自覚症状がない場合には「これくらいなら我慢できる」と無理をしてしまいがちですが、体が出しているサインを見逃さないことが大切です。 「ただの風邪だから」と無理をせず、以下のような症状が見られる場合は早めに医師の診察を受けてください。
これらのサインに該当しなければ、まずは自宅で安静にし、無理のない範囲で水分と栄養の補給を始めましょう。ただし、時間の経過とともに症状が変化する場合もあるため、悪化の兆候がないかを冷静に確認し続けることが大切です。
風邪で食欲がないときに無理に栄養があるものを食べようとして、脂っこいものや食物繊維の多い野菜を食べると、胃腸が余計に疲れてしまい、かえって回復を遅らせる原因にもなりかねません。早期回復を目指すなら、胃腸への負担を最小限に抑えることを優先して考えましょう。
風邪で食欲がないときは、何でもいいから食べるのではなく、体に負担をかけない順番を意識しましょう。体力が落ちているときは消化・吸収能力も低下しているため、まずは以下の3ステップをイメージして、段階的に胃腸を慣らしていくことが大切です。
| 摂取する順番 | おすすめの食材・飲料 | ポイント |
|---|---|---|
| 1.水分+電解質 | 経口補水液やスポーツドリンク、スープ | 水や茶だけでは不足しがちな塩分を補い、体内に水分を留めやすくする |
| 2.消化に良いエネルギー | ゼリー飲料やおかゆ、すりおろしリンゴ | 速やかにエネルギーへ変わる糖質を摂り、消耗した体力を補う |
| 3.たんぱく質 | 卵や豆腐、細かくしたサラダチキン | ウイルスと戦う力を高める仕上げの栄養素で、回復を後押しする |
上記のように、段階的に補給していくことでウイルスとの戦いを邪魔せず、効率よく体力を立て直せます。焦らず「体が受け付けられるもの」を少しずつ取り入れましょう。
どれほど体に良いとされるものでも、一度に多く摂ろうとすると弱った胃腸には大きな負担となります。体力を温存しながら栄養を補うコツは、一度の食事で完食を目指さず、数回に分けて少しずつ食べることです。
たとえば、「いつもの一食分を3回に分けて食べる」「1時間に一回ゼリーを口にする」など、時間を置いてこまめに食べることで、胃腸を驚かせず無理なく栄養を摂取できるでしょう。
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また、水分補給についても同様です。一度に多くの水を飲み干すと、かえって胃腸に負担をかけてしまいます。「数口ずつ」「コップ半分ずつ」と回数を分け、こまめに飲むことを意識しましょう。枕元に飲み物を常備し、目が覚めたタイミングで一口ずつ口に含んでいくのも、体に負担をかけない方法です。
風邪で食欲がないときに「何か食べなきゃ」と思っても、体調によって受け付けられるものは変わります。今の自分の状態に合わせて、以下の3つのレベルを参考に選んでみてください。
「お腹は少し空くけれど、いつもの食事は重い」という状態です。この段階では、エネルギー源となる「糖質」と、体を立て直す「たんぱく質」を組み合わせて摂りましょう。
| おすすめの食材例 | 食べ方のコツ |
|---|---|
| 卵かゆやうどん | うどんは軟らかく煮込み、胃腸への刺激を最小限にする |
| 豆腐の味噌汁や茶碗蒸し | 噛む力のいらない豆腐や卵は、弱ったときの貴重なたんぱく源となる |
| サラダチキン | 細かくほぐしてスープやおかゆに入れると消化しやすい |
この時期は、一度に完食しようとせず「腹六分目」を意識して、数回に分けて食べるのがコツです。また、よく噛むことで唾液の分泌を促し、内臓への負担を軽くできます。
少しずつ食欲が戻ってきても、油っこいものや刺激の強い食べ物は控えましょう。弱っている胃腸に負担をかけると胃もたれや下痢を起こしたり、回復に向かっていた体調を再び崩したりする恐れがあるためです。まずは、胃腸にやさしくエネルギーに変わる食事で体力を養いましょう。
「噛むのがしんどい、食欲がほとんどない」という状態です。無理に固形物を食べず、のど越しがよく、ひと口でエネルギーが補給できるものを選びましょう。
| おすすめの食材例 | 選び方・食べ方のコツ |
|---|---|
| ゼリー飲料 | パッケージに「180kcal(おにぎり1個分)」などと記載があるものを選ぶ |
| 飲むヨーグルトやポタージュスープ | 食欲がなくても、飲むだけでたんぱく質が補えるものを選ぶ |
| アイスクリームやすりおろしリンゴ | アイスは乳成分の多い「アイスクリーム」規格を選び、お腹を冷やさないよう食べ過ぎには注意する |
この状態のときは、味覚が敏感になっていることも多いため、無理をせずのどを通りやすいと感じるものを優先してください。また、胃腸を冷やし過ぎると下痢を招く原因になるため、冷たいものは少しずつ摂取しましょう。
風邪や胃腸炎で食欲がなく「水を飲んでも吐いてしまう」「何も受け付けない」という状態です。この場合は、無理に栄養を摂る必要はありません。何よりも脱水を防ぐことを優先に考えましょう。
水分を摂るコツは、経口補水液をスプーン1杯分ずつ、5〜10分おきにゆっくりと口に含むことです。一気に飲むと胃が刺激されて戻してしまうため、氷を口に含んで少しずつ溶かしながら水分を補給するのも良いでしょう。
また、一人暮らしにおいて最も避けたいのは、脱水が進行し、命に関わる事態に陥ることです。脱水は単なる水分不足ではなく、悪化すれば意識障害や臓器の機能低下を招く恐れがあります。「水分を全く受け付けない状態が半日続く」「尿が半日以上出ない」といった兆候があれば、迷わず医療機関を受診しましょう。
風邪の症状によって、のどを通るものや体が求めているものは異なります。今の自分の症状に合わせて、食べやすいメニューを選んでみてください。
のどの痛みやせきがあるときは、飲み込みやすく消化の良いものを少量ずつ取りましょう。
豆腐や卵、うどん、おかゆなど食欲がなくても食べやすいメニューがおすすめです。温かい料理はのどの痛みを和らげますが、高温過ぎると刺激になるため、人肌程度の温かさを意識しましょう。
あわせて水分と栄養をしっかり補給し、刺激の強い飲食物やアルコールは控えることで回復をサポートできます。
風邪で鼻づまりがあるときは、体を内側から温めつつ、水分と栄養を無理なく補える食事がおすすめです。
野菜や鶏肉、豆腐などを入れたスープや鍋料理は、具材を軟らかく煮込めるため食べやすく、湯気の温かさで鼻の通りが楽になることもあります。ねぎや生姜を少量加えるのも良いでしょう。
冷たいものや刺激の強い味付けは避け、口に入れて心地よい温度を意識しながら少しずつ摂るのがポイントです。
風邪で発熱や悪寒があるときは、食欲が落ちやすく体内の水分も失われがちです。無理に食べようとせず、まずは経口補水液やスポーツドリンク、温かいスープなどで少量ずつこまめに水分補給を行います。
寒気が強い間は白湯やスープで体を温め、落ち着いてきたら卵かゆや軟らかく煮たうどん、ゼリーなど消化の良いものを少しずつ取り入れていきましょう。刺激となるため、冷たい飲食物や脂っこい料理は控えるのが安心です。
風邪で食欲がなく下痢や吐き気が続くと、水分や電解質が多く失われ、脱水を起こしやすくなります。まずは経口補水液やスポーツドリンクで、少量ずつこまめに水分補給を行いましょう。吐き気が強い場合は無理をせず、落ち着いてから再開してください。
風邪の症状が和らいできたら、おかゆや煮込みうどんなどの胃腸にやさしい食事を少しずつ取り入れます。食物繊維の多い野菜や脂っこい料理、刺激物や冷たい飲食物は控えると胃腸への負担を減らせるでしょう。
風邪で体調が悪く、自宅に戻るだけで精一杯なときは、コンビニを上手に活用しましょう。店頭での購入に加え、地域によってはデリバリーサービスに対応している場合もあり、外出せずに必要な食事や飲み物を自宅に届けてもらえます。
風邪で食欲がないときは、自覚がなくても体から水分が失われやすいため、まずは水分補給を優先しましょう。 コンビニで購入できる経口補水液やスポーツドリンクは、体にスムーズに吸収されるよう作られています。水よりもスムーズに体に吸収されるので、まずはこれらをメインに活用しましょう。
▼買い物リスト
野菜スープや中華スープなど、温かい汁物を取り入れるのもおすすめです。水分と一緒に、体が求めている塩分もしっかり補えます。
水分が摂れて少し食欲が出てきたら、次はエネルギーと栄養の補給です。一度に多く食べようとせず、以下の食材を組み合わせて少しずつ口にしましょう。
▼買い物リスト
おかゆやうどんは弱った胃腸に優しく、すぐにエネルギーへと変わります。そこに豆腐や卵といった良質なたんぱく質を添えるのが、体力を立て直すコツです。バナナやゼリー飲料は、風邪で食欲がないときでも手軽に栄養を摂取できます。
熱が下がるとホッとして、すぐに普段通りの食事に戻したくなりますが、ここで油断すると風邪が長引く原因になります。胃腸を慣らしながら、段階を踏んで戻していきましょう。
風邪が治りかけたとき「もう食べて大丈夫」という判断基準は、単に熱の低下だけで判断しないようにしましょう。熱が下がった直後の体は、ウイルスとの戦いを終えたばかりの「疲弊しきった状態」です。ここで無理をすると、消化が追いつかず胃もたれや下痢といった別の不調を招いたり、回復が遅れて体力を消耗したりする原因になります。 まずは以下のサインを確認し、体が受け入れ態勢に入っているかチェックしましょう。
これらのサインが揃って初めて、少しずつ食事のボリュームを上げていく準備が整った段階といえます。
食欲が戻ってきた病み上がりの胃腸は、見た目以上にダメージを負っています。熱が下がって「風邪が治った」と思っても、内臓の消化能力が元に戻るまでにはタイムラグがあるからです。焦って普段通りに食べると、胃もたれや下痢で体力を削ってしまうため、以下のステップで「胃腸のリハビリ」を行いましょう。
| 時期 | おすすめの食材 | ポイント |
|---|---|---|
| 1. リハビリ期 | 柔らかいうどんやおかゆ、卵、豆腐 | 体に欠かせない「アミノ酸」を摂り、体力の土台を戻す |
| 2. 慣らし期 | 白米や白身魚、バナナ、リンゴ | ビタミンを補いつつ、少しずつ固形物に慣らしていく |
| 3. 通常期 | 普段通りの食事 | 体調が完全に安定してから、少しずつボリュームを戻す |
また、以下のものは消化にエネルギーを使い回復を遅らせるため、あと数日は我慢しましょう。
| 避けた方がよい食材 | 食材の例 | 理由 |
|---|---|---|
| 脂っこいや刺激物 | 揚げ物や焼肉、激辛料理、酒 | 消化に膨大なエネルギーを使い、荒れた粘膜を傷つける |
| 豊富な食物繊維 | 生野菜や海藻、玄米 | 健康に良いイメージがあるが、治りかけの胃腸には負担が重い |
| 極端な温度 | 熱過ぎるスープや氷入りの飲み物 | のどや胃への刺激が強く、炎症を悪化させる原因になる |
市販薬は風邪そのものを治すのではなく、あくまで「今あるつらさを和らげるもの」です。正しく付き合うためのポイントを押さえておきましょう。
「風邪薬がウイルスを退治してくれる」と思われがちですが、実は薬そのものに風邪を直接治す力はありません。薬の本当の役割は、体力を激しく消耗させる「ひどい熱」や「止まらないせき」といった、つらい症状を一時的に和らげることにあります。
大切なのは、薬を飲んで体が楽になった時間を活動するためではなく、体を休めるために使うことです。 薬で熱やせきが落ち着いても、体の中ではまだウイルスとの戦いが続いています。薬を飲んで無理に動くのではなく、体力を温存し、しっかりと体を休めるための「サポート役」として捉えましょう。
薬を服用する際は、自己判断で複数の薬を飲み合わせないように注意しましょう。薬によっては成分が重複して副作用のリスクを高める恐れがあるためです。
さらに、解熱鎮痛剤などは胃に負担をかけることが多いため、できるだけ空腹時を避け、少しでもおかゆやバナナなどの食べ物を口にしてから飲むように意識してください。
もし「この飲み合わせで大丈夫だろうか」と少しでも不安を感じたら、医師や薬剤師に相談することをおすすめします。一人で抱え込まず、専門家の知恵を借りることも、自分を守るために大切です。
風邪をひくと熱や鼻水、せきなどの症状があらわれ、食欲がなくなる場合もあるでしょう。まずは今の自分の状態を把握し、受診が必要な状態であるかを判断することが大切です。
自宅で様子を見る際は、何よりも「こまめな水分補給」を優先してください。もし食欲が出てきたら、それは体が回復のためにエネルギーを求めているサインです。ただし、熱が下がっても胃腸の機能が戻るまでには時間がかかるため、おかゆなどのやさしいメニューから段階的に慣らしていく必要があります。
また、薬はあくまでもつらさを和らげて「体を休めるため」に使うものです。体調がすぐれず通院が難しいときは、オンライン診療の活用も選択肢の一つとなります。焦らず、一歩ずつ栄養と休息を積み重ね、一日も早く元通りの元気な毎日を取り戻しましょう。
スマートフォンやPCを使って、自宅や外出先など全国どこからでも、かかりつけ医による診察を受けることができます。 医師により処方が行われた場合には、お薬のご自宅への配送や、薬局での当日受け取りが可能です。
通院の手間や待ち時間を減らし、プライバシーを守りながら、安心して医師へ相談できます。